フロー型雇用の発展を支えるうえで重要な役割を果たすのが、有料職業紹介に関する法制である。日本では第二次大戦後今日に至るまで民間の機関が有料で職業紹介をすることは原則として禁じられている。職業紹介事業は公共の職業安定所をつうじて行われるのが基本であり、民間の機関は労働組合など特別な場合を除けば厳しく限定されてきた。それは戦前のような人身売買まがいの職業紹介を二度と発生させないための配慮にもとづいた戦後改革の遺物のひとつである。
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もっとも原則禁止ではあるが、看護婦、家政婦など二〇ばかりの職種についてはポジティヴーリストの形で特例として認められており、その運営には行政が深く関与している。こうしたシステムは経済がまだ発展途上段階にあり、不完全就業などの超過労働供給が一般的な状態では一定の意義があったが、今日のように経済が先進成熟段階に入り、労働市場が全体としてむしろ労働力不足基調になっている状態ではその役割は完了したといえこれからの経済ではフロー型の労働サービスが製造業のような産業活動だけでなく、ひろくサービス業そして高齢化を迎えてとりわけ福祉などの分野でますます重要になると考えられる。そうした市場のニーズに円滑に対応できるよう民間の有料職業紹介事業を一般的に自由化すべきである。そしてまた派遣労働法との関係も整理すべきである。無論、そうした職業紹介活動が悪用され、社会的な弊害を生む可能性がある場合がありうることは否定できないが、そうした懸念がとくにありうるものについてだけはネガティヴーリストで厳密に管理することが望ましい。原則禁止・特例許可ではなく、原則自由・特例禁止として民間の創意工夫を促進できるしくみとする方が新産業の創出・育成を支援する上でも望ましい事はいうまでもない。