どんなに優秀なヘッドハンターでも、相手が何も語れない人ではストーリーを汲むことがむずかしい。仕事面のことだけなら、履歴書をみれば大体のことは分かるが、幸せな転職にはもっとふわっとした情報が必要である。たとえば私のことで言えば私がなぜ神戸製鋼から野村證券に移ったかの理由は履歴書には書かれていない。バブルの時代のイベントに参加するだけなら銀行でもよかったわけだし、証券会社だって他にたくさんある。でも、私は野村證券に行ったその理由は、やはり本人の口から聞いてはじめて分かるのである。
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それを「最大手だからだろう」などと勝手な憶測で判断してしまったら、相手の望む就職先など見つけられないだろう。ちなみに私が野村證券を選んだのは、信頼していた先輩のひと言がきっかけだった。それがなかったら私は別の会社を選んでいたかもしれない。その会社に行ったことが結果としてよかったかどうかは別として、人が会社を選ぶ場合、他人には計り知れないその人なりの事情や理由が存在するということである。ほんの少しでもよい。自分の言葉で、ライフストーリーを語ってくれると我々の情報量が増え、それだけ適切なアドバイスもしやすくなる。